近年、日本人の中高年の6割もの人がいびきをかき、そのうちの約10人に1人が睡眠時無呼吸症候群の疑いがあるといわれ、年々増加していると言われています。
上気道が狭くなる原因として、長すぎたり、たるんだ口蓋垂や軟口蓋があおむけに寝たとき、上気道をふさぐ。舌根の重力による上気道への落ち込み等が考えられます。
睡眠時無呼吸症候群とは、寝ているときに断続的に無呼吸を繰り返す病気で、日中の眠気によって、集中力の低下、居眠り運転による交通事故のリスクが高まります。また合併症として「高血圧、糖尿病、心筋梗塞や脳卒中」の発症頻度が高くなるとも言われています。
この病気は、ご自身では自覚がなく、家族の方に指摘され受診するケースが多い病気です。このためご自身でよくわからない場合は、一度専門医に相談されることを是非お勧めします。
●夜中に何度も目が覚める。
●夜間に息苦しくなる。
●大きないびきをよくかく。
●起床時に頭痛や体がだるい。
●居眠り運転をよくしそうになる。
●日中いつも眠い。
などの症状があります。
●高血圧の危険性は2倍
●心筋梗塞の危険性は4倍
●脳卒中の危険性は4倍
●交通事故をおこす危険性は7倍
と言われています。
当院では、睡眠時無呼吸症候群診断のために終夜睡眠ポリグラフィー(簡易)という検査を行っています。
ご自宅にて、夜の睡眠時に下図のような検査器具(貸出)を装着し、呼吸状態や血液中の酸素濃度を測定します。
睡眠時、1時間に30回以上の無呼吸は重症です。
また場合によっては、専門病院にご紹介して、脳波なども含めて測定する精密検査(PSG)を受けて頂くこともあります。
当院では、第一選択として、持続的陽圧呼吸療法(CPAP治療)を行っています。
ご自宅にて睡眠時に鼻マスクを装着し、閉塞した気道に空気を送り込んで、気道を押し広げてノドの塞がりを防ぐことにより、睡眠時の無呼吸を予防する治療方法です。
簡易検査にて、1時間に40回以上の無呼吸を認めた場合は、CPAP治療は保険適用となります。
*他の治療方法として、マウスピース使用や咽頭形成手術などもあります。