通常、のどの痛みから始まり、悪化すると食べられない、唾液が飲み込めないなどの症状が起こります。また、高熱が出たり、関節痛、頭痛が起こることもあります。首のリンパ腺が腫れることもあります。扁桃腺が赤く大きく腫れ、白いウミがついたり、ウミで扁桃腺全体が白くなってしまう場合もあります。
いわゆる「のどのかぜ」が原因です。カゼを引き起こす細菌やウイルスが扁桃腺に感染し、炎症を起こします。
炎症の程度が軽ければ、抗生剤の内服のみで治ります。炎症が強く痛みがひどい場合は、脱水防止もかねて抗生剤の点滴を行う必要があります。
また、薬剤をのどの奥まで吸入するネブライザー治療も行います。
*扁桃炎を繰り返す慢性扁桃炎になると、扁桃腺をとる手術をお勧めする場合もあります。
軽度の扁桃肥大であれば、特に症状はありません。
左右の扁桃腺がまん中でくっついてしまうほど大きいと、
「いびきが大きい」「寝ているときに息が止まる(睡眠時無呼吸)」「よだれが多い」「飲み込みづらそう」などの症状がでます。
生後すぐは、扁桃腺は小さいのですが、年齢とともに大きくなることが多く、5~6歳で大きさのピークをむかえます。そして、体の成長とともに、扁桃腺は小さくなることが多いのですが、扁桃炎を繰り返していると、扁桃腺が肥大したままで、大人になっても小さくならない場合もあります。
検診や小児科で扁桃肥大と言われても、特に症状がなければ、そのまま様子を見ればよいでしょう。
上で述べた症状がいくつかあったり、症状が強ければ、手術で扁桃腺を取ることをお勧めします。多くの場合は手術によって症状が改善します。なお手術は入院が必要になりますので、大きな病院などに紹介いたします。
声は、のどの中にある声帯(せいたい)がひらいたり、閉じたりすることにより出ています。
カゼなどで声帯に炎症があったり、ポリープや癌ができたりすると、声がかすれます。他に甲状腺の癌などで、声帯を動かす神経がマヒして、声帯が動かなくなり声がかすれることもあります。
両側声帯は正常です
左声帯にポリープがあります
タバコをたくさん吸う方で、最近声がかれてきた。日頃、声をよく使う人で声が出にくくなってきた。このような場合は耳鼻科での診察をお勧めします。
内視鏡を鼻から入れて、声帯を詳しく観察します。声帯に炎症がないか、癌やポリープ等が出来てないか、声帯の動きは正常かなどを詳細に観察します。
*当院には、NBIという特殊な光を使い小さな癌を早期に発見する、NBI電子内視鏡を設置しております。
炎症によるものであれば、のどにお薬を吸入するネブライザー治療を行います。また、声帯を休めるために、声の安静が必要です。
ポリープがある場合は、小さなものなら声の安静やネブライザー治療で治ります。しかし大きなポリープは手術が必要なこともあります。
喉頭癌などの場合は、放射線治療や手術が必要になります。その場合は、大きな病院などに紹介いたします。
のどのガンには大きく分けて2つあります。
咽頭(いんとう)ガンと喉頭(こうとう)ガンです。
のどは大きく分けると口から順に咽頭、喉頭と続き、食道へつながります。
のどは、空気の通り道と、食べ物の通り道ですので、ここにガンが出来ると、様々な症状が起こります。
空気の通り道である喉頭にガンが出来ると、声がれ、血の混じった痰、呼吸困難などの症状が起こります。
食べ物の通り道である咽頭にガンが出来ると、飲み込みにくさや、のどの痛み、のどの違和感などが起こります。
また、首のリンパ節が腫れて、しこりを触れる場合もあります。
タバコを吸う方やお酒をたくさん飲む方で、最近飲み込むときにのどの奥で引っかかり感がある方、声がかすれてきた方、首にしこりをふれる方などは要注意です。このような違和感がある場合は耳鼻科での診察をお勧めします。
内視鏡を鼻から入れて、のど全体を詳しく観察します。のどに炎症がないか、癌やポリープ等が出来てないか、声帯の動きは正常かなどを詳細に観察します。
*当院には、NBIという特殊な光を使い小さな癌を早期に発見する、NBI電子内視鏡を設置しております。
のどの癌の場合は、放射線治療や手術が必要になります。その場合は、大きな病院などに紹介いたします。
のどの違和感の原因には、咽頭炎、のどのアレルギー、胃液がのどに逆流して起こる逆流性食道炎などがあります。蓄膿症のため、鼻水がのどに流れて違和感を感じることもあります。時には、のどの癌のような重い病気がかくれていることもあります。
タバコを吸う方やお酒をたくさん飲む方で、最近飲み込むときにのどの奥で引っかかり感がある方、いつものどに痰が引っかかっている方、首にしこりをふれる方などは要注意です。このような違和感がある場合は耳鼻科での診察をお勧めします。
のどの炎症によるものであれば、のどの炎症をしずめる内服薬や、のどにお薬を吸入するネブライザー治療を行います。
逆流性食道炎や副鼻腔炎が原因の場合は、それぞれの病気治療を行います。
のどの癌の場合は、放射線治療や手術が必要になります。その場合は、大きな病院などに紹介いたします。
カゼをひいた後に、セキだけが止まらないという患者さんが数多くおられます。セキはカゼによる急性炎症では、2週間程度で治るのが普通です。したがって、セキが3週間以上続く場合は別の原因を探す必要があります。
セキが長引く主な原因として以下のことが考えられます。
1) 咳喘息(せきぜんそく)・・・喘息の軽いもの。セキは夜間、朝方が多い。
2) アトピー咳嗽(アトピーがいそう)・・・のどのアレルギーによるもの。気温の変化、ホコリ、会話などでセキが誘発されます。
3) 副鼻腔気管支症候群・・・ちくのう症に気管支炎が合併するもの。
まず、鼻やのどを詳しく診察し、ちくのう症がないか、のどに炎症がないかを調べます。
さらに、鼻から内視鏡を入れて詳細に検査することもあります。
場合によっては内科で胸のレントゲンを撮って頂くこともあります。
抗生物質や気管支拡張剤、去痰剤、抗アレルギー剤、吸入ステロイド剤などを使用し、治療していきます。
のどの炎症によるものであれば、のどの炎症をしずめる内服薬や、のどにお薬を吸入するネブライザー治療を行います。
原因不明の場合が多いのですが、主な原因として、亜鉛不足、貧血、口の中の乾燥、内服中の薬による副作用などがあります。また、腎臓病や肝臓病、糖尿病などが原因の場合もあります。
亜鉛は人間にとって、必要な微量元素の一つです。不足すると味覚障害、食欲不振、成長障害などが出ます。
貧血などを検査する一般的な血液検査の他に、亜鉛などの微量金属も血液検査で調べます。
味覚障害の原因となる貧血などの内科的な病気があれば、その治療を行います。
亜鉛不足や原因不明の場合は、亜鉛を含む内服薬を処方します。ビタミン剤を処方することもあります。