今や、国民の4人に1人が花粉症を持っていると言われています。花粉症の症状である「くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ」などに悩まされている方は少なくありません。
特にスギ花粉症は増加傾向であり、治療が必要な患者さんが毎年増加しています。また、花粉症発症の低年齢化も注目されています。
スギ花粉のエキスを継続的に、毎日自分で口の中に入れることで、体質を変えてスギ花粉症を治す治療です。
2~3年間(シーズン以外も)続けて治療することで70~80%の人が症状改善します。約20%の人は完治するといわれています。ただ、20%の人は効果がありません。効果の出ている方は3~5年間の治療継続をお勧めします(より効果が高まります)。
スギ花粉症の舌下免疫療法は、スギ花粉症と診断された12歳以上の患者さんが治療を受けることができます。
服用期間
1日1回、少量から服用をはじめ、2週間は徐々に増量し、その後は決まった量を数年にわたり継続して服用します。
初めての服用は、スギ花粉が飛散していない時期に、医師の監督のもと行う必要があります。
安全に治療を行うため、スギ花粉の飛散時期に始めることができません。また、スギ花粉の飛散開始3か月前には始めないと1年目の効果が出ないことから、11月中旬までには開始した方がよいと思われます。
以上の事から当院では、治療開始時期は、6月1日から11月末日までとさせていただきます。
●スギ花粉症ではない方(スギ以外のアレルギーには効果がありません)
●12歳未満の方
●重度の気管支喘息の方
●アレルゲンを使った治療や検査、
またはスギ花粉を含んだ食べ物によってアレルギー症状を起こしたことのある方
●気管支喘息の方
●妊娠中の方、授乳中の方
●抜歯後の方、口の中に傷や炎症などがある方
●重症の心疾患、肺疾患がある方
●抗がん剤、ステロイドホルモン剤、β阻害剤などを内服中の方
●免疫不全などの重い免疫の病気のある方
口内炎や口内の腫れ、かゆみといった軽い局所の副反応は時々起ります。
ごくまれに、強いアレルギー反応であるアナフィラキシーが起こることがあります。
これらの副反応は、アレルギーの原因であるスギのエキスを体内に入れることによって起こるアレルギー反応であり、ある程度はやむを得ないものです。
治療を始めて1カ月間、またはスギ花粉飛散時期に副反応がより多くみられます。
●根本的にスギに対するアレルギーがなくなることを望んでいる方
●飲み薬やスプレーをしても、あまり効果がない方
●飲み薬で、眠気などの副作用がひどい方
●今後、春に受験のある中高生
●屋外で仕事やスポーツをされる方
●これまでにいろいろな治療を受けたが、その治療に満足してない方
以上の様な方でひどい花粉症の方は、是非この治療を検討して下さい。
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治療可否の判断
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まず来院して頂き、舌下免疫療法を受けることができるかどうか確認させて頂きます。また採血でスギ花粉症であることを確認します。ただし過去1年以内にアレルゲン検査をしている場合は採血不要になる場合もあります。(他院でのデータをお持ち方は検査データをお持ちください)
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説明および意思確認・予約
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舌下免疫療法について十分理解していただいた上で初回投与日を予約します。初回舌下投与は当院内で行います。予約可能な時間は、午前は9時30分から11時まで、平日午後は15時30分から17時30分まで(土曜午後は15時から15時30分まで)となります。
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初回投与・自己投与の説明
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初回投与の時は、投与後30分間は院内にいて頂きます。 初回投与日には、自宅でどのように舌下免疫を行っていくか、また、その際の注意点、副反応の対処法を説明いたします。
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今後の通院
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最初の2週間で投与量を増やしていくため、2週間後に来院して頂きます。
3週目からは維持量となり、1か月毎の通院となります。