毎年冬に多く発生するカゼの一種で、症状は突然の高熱、のどの痛み、筋肉痛などです。気管支炎や肺炎、中耳炎を起こすこともあり、肺炎になると命にかかわることもあります。感染力は非常に強く、場合によっては学級閉鎖を余儀なくされることがあります。
インフルエンザが疑われる場合は、迅速検査により10分程度で調べることができます。
鼻や口から、綿棒を使って鼻水を採取します。この鼻水の中にインフルエンザウイルスがいるかどうか検査します。(但し、発熱してから5時間程度たたないと検出できません)
原則として抗インフルエンザ薬を処方し、直接ウイルスを退治します。
但し、発熱後48時間以上経過している場合は、抗インフルエンザ薬は処方せずにそのまま様子を見る場合もあります。
インフルエンザは悪化すると命に関わる場合もありますので、感染した場合は外出をせず、自宅で回復に努めるようにしてください。
*出席停止期間は
「発症後5日間を経過し、かつ、解熱後2日(幼児は3日)経過するまで」とされています。
2,3歳から小学校低学年くらいのまでの子どもがかかりやすく、溶連菌がのどに感染して咽頭炎や扁桃炎を起こします。
唾液で感染するため、感染力が強く、幼稚園や学校などの集団の中で流行することがあります。
カゼと似た症状で始まりますが、溶連菌感染症では特にのどの痛みが強く、発熱も高熱です。咽頭や扁桃の腫れは非常に強いです。
また、イチゴ舌といって舌の表面に赤い斑点が出現したり、体に赤い発疹が出たりします。
溶連菌感染症が疑われるような場合は、迅速検査で10分程度で調べることができます。
抗生物質を10~14日服用して頂きます。お薬を飲み始めたら1~3日程度で症状がよくなることがほとんどですが、途中で服用を止めてしまうと、細菌が復活してより重症化する場合があります。治療が不十分だと腎炎やリウマチ熱などの合併症が起こったりします。
少し良くなったからと言って油断せずに、お薬は最後まできっちり内服して下さい。
*出席停止期間は
「発熱中は出席停止。解熱し、全身状態が良ければ登校可能。」とされています。
夏カゼの一種でプール熱とも呼ばれます。小児に多くみられ、家庭内、幼稚園、学校等で集団発生することがあります。免疫がつきにくく、繰り返し感染することもあります。
咽頭結膜熱とも呼ばれ、主要症状は、高熱(38~40℃)、扁桃炎、結膜炎(目の充血、目やに)です。
アデノウイルス感染症が疑われるような場合は、のどから検体を採取し、迅速検査で10分程度で調べることができます。
アデノウイルス感染症に特効薬はありません。
ほとんどの場合は、3~5日程度で自然に治ります。
したがって治療は症状をやわらげる対症療法のみになります。
体調が回復するまでは、学校、幼稚園は休んで、自宅で安静にしてください。脱水には十分に注意していただき、こまめな水分補給を心がけて下さい。
*出席停止期間は「主要症状消退後2日経過するまで」とされています。
夏カゼの一種で0~4歳の小児に多くみられ、保育園、幼稚園等で流行することがあります。コクサッキーウイルスやエンテロウイルスの感染によって起こります。
〇手足口病
口の中や手足の水泡性の発疹が特徴です。水泡は2~3mmで、主に口の中全体、手のひら、足の裏、足の甲に見られます。発熱を伴うこともありますが、高熱が続くことは少ないです。
〇ヘルパンギーナ
突然の高熱で発症します。発熱は2~4日続きます。のどちんこの周囲に小さい水泡が数個出現し、水泡が破れると口内炎のようになり、強いのどの痛みが現れます。
症状とノドの所見から判断します。特に検査は行いません。
手足口病、ヘルパンギーナに特効薬はありません。
ほとんどの場合は、3~5日程度で自然に治ります。
したがって治療は症状をやわらげる対症療法のみになります。
体調が回復するまでは、学校、幼稚園は休んで、自宅で安静にしてください。脱水には十分に注意していただき、こまめな水分補給を心がけて下さい。
*出席停止期間は特に決められていません。通常のカゼと同じで、体調がよければ登園可能です。
ムンプスというウイルスに感染することにより発症します。
学校、幼稚園等で流行することがあります。
耳の下にある耳下腺が片方腫れはじめ、1~3日の間に両側が腫れてきます。(片方だけしか腫れない場合もあります。)
最初は腫れている場所が痛みます。痛みがひどいと、食べ物をかめない、飲み込めないといった症状が現れます。
多くの場合、発熱もあり、頭痛、腹痛などを伴うこともあります。
特徴的な症状から判断します。特に検査は行いません。
おたふくかぜに特効薬はありません。
ほとんどの場合、腫れは1週間~10日程度でおさまります。
したがって治療は症状をやわらげる対症療法のみになります。
腫れが引くまでは、学校、幼稚園は休んで、自宅で安静にしてください。
まれに、おたふくかぜから合併する病気(高度難聴、髄膜炎、脳炎、精巣炎、卵巣炎)になる場合があります。
これらを予防するためには、おたふくかぜのワクチンが有効です。
*出席停止期間は
「耳下腺の腫脹が始まった後5日を経過し、かつ全身状態が良好となるまで」とされています。